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Chapter4/試行①


突板の表現では異例な曲線カット。
複数の樹種との混合が可能。
天然素材がゆえの微細な個体差を利用。

ホワイトオークの葉

ホワイトオークの突板を葉柄にカット

ホワイトオークとウォルナットの突板をカットしたもの

 木象嵌からインスピレーションを得て型抜きを考えて最初に思いついたのは樹種に由来する形状。
伝統的な象嵌でも多く見られる草木花の表現からホワイトオークの象徴的な葉形状、ウォルナットの葉や果実である胡桃など大きさを変え混ぜて貼ることで一枚の画のような化粧板ができないかと想像しました。
 木工では硬さの違いや収縮度の違いなどもあり異なる樹種で組み合わせることが簡単ではありません。色の大きく異なる樹種の混合もそう多く見ることがない。しかし突板であれば容易に実現可能ということに気が付いたとき、なかなか良いものが出来そうだと感じていました。
 
ただし茶色とベージュの混合は枯れ葉のイメージが強く、印象も大きいため利用用途が限定されてしまうのではないかという懸念、そして複雑な形状は工程上のチップ割れも多く歩留まりも悪いことから葉柄形状は保留。
 
 しかし、この時「天然素材であること。」という最も大切なことに気づかされます。
突板はもちろん天然素材で、薄くスライスすることで何枚も似た木目をリピート使用できることを利点としていますが、使い切ってしまえばまったく同じものは提供できません。一方、同じものがないことが天然木化粧材の醍醐味でもあります。
「同じ樹種でもそれぞれの個体で色味が違う。」ましてや今回利用する突板は端材を集めたもので、様々な色味が混在します。この事象を上手く利用し、木目の違いや個体差を利用し柄にする事で1樹種の中でも組み合わせにより単調になりすぎず新しい表現ができるのではないか。
1樹種に絞ることで通常の突板化粧合板で作成される木口と面材の樹種合わせと同様のことができ制作する側も使用しやすい利点が生まれます。

コラージュから「パッチワーク」や「モザイク」へイメージを変化させました。