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Chapter10/展望


化粧用木材(突板)品質について。
今ある素材を最大限に有用し未だ見ぬ素材へ。
木材(木目)の役割と必要性の探求。

今回使用できなかった端材

オーバルタイプの残り

オーバルタイプで仕分けされた端材

 突板の端材だけでは炭素蓄積量こそ少量ですが、突板として使用されている樹齢や製材されるまでの工程や月日を考えれば無駄なく使用したい旨を御理解いただけると思います。
 昨今、突板業界では今まで取れてきた「良い木目」のものが減少し、旧来のグレードで提供できなくなりつつあるといわれています。
 林業・木材業界ではセンダンなどの成長の早い広葉樹の活用・育成に取り組んでいますが、突板として使用できる木や良材とされる木材は目のつまりが良いゆっくりと成長した木が多いことからすぐにとってかわることは難しいことが想像でき、また私たちもそれに順応できるか疑問です。今までとは違った新たな考え方を模索しなければならないと同時に今あるものを大切にして新たな150年先に伐採できる木材を育てていかなければならない。
 
 サーキュラーエコノミーの理念を知りその一部ですが私たちも不要な端材を最小限に抑えるべく環境負荷の少ないユニークで喜ばれる新たな製品を生み出そうと考えています。
 まずはオーバルタイプで残ってしまった端材やバラボードで使用できなかった端材も含め利活用するために異業種との連携を進めています。
 
 私たちの仕事は山や森林から都市へ木目を届ける事です。
古代から現在まで私たちの生活空間には木目があり続けています。
住宅・公共空間・家具・店舗内装・学校など、非日常から身近なものまで使用され常に木目に囲まれています。また科学的に木目を作り出した化粧材も多くありそれは今でも労力をかけ進化しています。
 
 なぜ木が身近にある生活をしているのか。木目に囲まれて生活しているのか。
当初は木の加工性が良く利用しやすかったことが要因だったかもしれませんが、人気のカフェの内装には現在でも木目が使われそこに集まる人々の光景を見ていると、長い間をかけDNAに刻まれた木への安心感や今はまだ言葉にはなっていない我々にとっての木目の必要性があると信じています。